たどたどしいのは美しいです。だから絵もうまくならないように気をつけています。気をつけなくてもうまくなんかならないのだけど、絵をしばらく描いていない時ほどうっかりうまくなってしまったりします。手を動かし続けているとどんどん下手になっていって楽しいです。今回の展覧会では100枚のドローイングを展示即売します。3年前にやって好評だったので、毎年やって10年続けるって言ったくせにいつの間にか3年の月日が流れていました。一日しかないけれどその日のためにたくさん描くのでよければ見に来てください。絵のテーマはフォークロアです。
http://www.geocities.jp/oo170hanaco/hanaco/Welcome.html
はやしさんと初めて会ったのは、恐らく2007年9月に荻窪の環八沿いの高架下で淺井裕介さんと「1日限りの展覧会を作る」というイベントをやった時だったと思います。
もしかしたら、それ以前にもどこかですれ違ってはいたかもしれません。
初対面で挨拶したとき、はやしさんからその当時シリーズで描いていた船の絵をプリントしたステッカーか名刺をいただいたことを覚えています。
その日は雨がザーザー降っていてやたらと寒い日だったのですが、思えばその時qpさんやju seiのseiさんとも初めて会っていて、今思えば不思議な感じがします。
現在のはやしさんの絵はよりラフに走らせた線やランダムに配置されたモチーフが目を引く作風になっています。
見る側にとってその絵が「うまい」か否かというのは感じ方も違ってくるかと思いますが、プロフィールにも書かれている「うまくならないように」している意識がはやしさんの絵の世界観にいい具合のいびつさを与えているんだと思います。
はやしさんの絵は多分に物語性を感じさせるところもありますが、様々な技法や素材が使われ画面の表層に注意を促す要素が散りばめられていて、単に見る人を絵の中のロマンティシズムに耽溺させません。
個人的な感想ですが、その画面構成や線の危うさ・即物的な素材の扱いなどとロマンティシズムとのバランスが僕は好きです。
今回は100枚のドローイングを展示していただけるとのことで、じっくりと時間をかけてはやしさんの世界を味わえるかと思います。
今回のフライヤーデザインははやしさんの旦那さんの北風さんにやっていただいています。